今日から三脚使いになると決めて岩屋堂行き<前編> - 現身日和 【うつせみびより】

今日から三脚使いになると決めて岩屋堂行き<前編>

岩屋堂1-1

Canon EOS 20D+TAMRON SP 28-78mm f2.8 + C-PL



 BSでやっている「写真家たちの日本紀行」という番組が好きで毎週観ているのだけど、前回の米津光(よねずあきら)さんの回は特に印象的だった。
 もともとは画家志望で、現在は主に広告写真を撮っている写真家だそうで、初めてその存在を知った。舞台は西表島の森の中という普段は馴染みのないフィールドでの撮影だったようなのだけど、被写体の見つけ方や写真の作り方に非常に感銘を受けた。まず自分の頭の中に撮りたいイメージがあって、それを自然の中で見つけたり、ときには作り出すというアプローチにプロのスタイルを見た。目の前の風景をどういう構図で切り取るかを考えるのとはまったく逆の発想で、その方法が具体的で分かりやすかった。
 プロの写真というのは、撮らせてもらうのではなく自分が作るものなのだということをあらためて知った。洋服にたとえるなら、既製品を買って着るのがアマチュアで、着る服を自分でデザインするのがプロという言い方ができるだろう。
 個人的には作為的で抽象的な写真というのはあまり好きではないのだけど、米津光という人の人柄や考え方に共感するところも多くて、写真もとてもいいと素直に思った。
 若い頃にこの人を知っていたら、弟子入りを志願したかもしれない。勝手に師匠と呼ばれてもらおう。
 それでいろいろ感じるところや思うことがあって、私としてはとても珍しいことに三脚を持って写真を撮りに行くことにしたのだった。今の時期、三脚撮りならでは何といえば水と新緑だろうということで、行き先は岩屋堂にした。あそこなら人も少ないから、誰かに見られることもない。
 私はどうも三脚で写真を撮っている姿を見られるのが恥ずかしくて駄目なのだ。そんなことではいい写真は撮れないぞと思うのだけど、いまだに克服できないことの一つになっている。
 いきなり米津さんのような写真は撮れっこない。模倣しようと思ってできるような作風でもないし。
 なので、今回のテーマは三脚に慣れることだった。すごく基礎の基礎のような気がするけど、三脚に関して私はド素人同然なのだ。久々に使う三脚の伸ばし方さえ分からず、強引に引っ張ったら部品が取れてしまったくらだい。三脚って、難しい。なかなか平行にならないし。
 とりあえず撮ってきた写真を並べてみることにする。

岩屋堂1-2

 新緑と水の映り込みの相性の良さは、赤目四十八瀧で知った。
 手持ちでは暗くて撮れないシーンでも、三脚があれば撮れる。持ち歩くのはとにかく邪魔くさいけど、三脚があると写真の可能性が広がることは確かだ。それは認めないわけにはいかない。非三脚派で手ぶれ補正さえあれば充分なんて強がってると、自分が損をする。

岩屋堂1-3

 苔の緑と赤い落ち葉の組み合わせをデザイン的に、なんて慣れないことをすると上手くいかない。
 こういう写真は、きちんと自分の中でイメージを固めてから撮らないと、何が言いたいのかよく分からない独りよがりの写真になってしまう。
 苔の緑が大好きというのは間違いないのだけど。

岩屋堂1-4

 木製の机から新芽が出ていた。
 自分の写真は説明的だという自覚があって、だからこういう写真は苦手意識がある。小物とかを上手に撮れる人に憧れる。
 ブツ撮りに関しても、もっと練習を積まないといけない。

岩屋堂1-5

 ムラサキケマンだろうか。
 岩屋堂は野草が少ないところで、今回も特に変わったものは見られなかった。
 花をデザイン的に撮る勉強ももっとしていきたい。

岩屋堂1-6

 すっかり新緑となった山の中も、一部はまだ冬枯れ色を残す。散策路は落ち葉が敷き詰められていた。
 光と影のコントラストは、常に撮りたい対象だ。

岩屋堂1-7

 苔むした切り株にも心惹かれて、よく撮る。
 屋久島とか、大台ヶ原とかも、一度は行ってみたい。

岩屋堂1-8

 土砂崩れがあったのか、根が剥き出しになって、横になりながらもまだへばりついて生きている木があった。
 このシーンは、超広角ズームでもっと寄って撮りたかった。今回は三脚に慣れるのが目的だったので、レンズは望遠ズーム一本しか持っていかなかった。
 レンズの選択というのも、撮影意図を反映させる重要な要素となる。

岩屋堂1-9

 三脚使いともう一つ、PLフィルタを使ってみるという試みもあった。PLを使うとシャッタースピードが落ちるから、手持ちのときはなかなか使おうという気にならない。三脚なら使える。
 順光で使うと、空の青さが深くなる。その他の色も鮮やかになる。

岩屋堂1-10

 モミジの葉もきれいな緑色になっていた。赤いくれない橋とのコントラストが鮮やかだ。

岩屋堂1-11

 三脚を使った定番写真。
 こういう写真はあざとい気がして好きじゃないのだけど、あざといと思わせてしまうのは、そこにきれいという以上のものがないからだ。
 白い糸引きだけでは面白くもなんともない。

岩屋堂1-12

 水の流れ表現も何枚か撮ってはみたものの、これだというものは見えなかった。何か、もう一つ、二つ、付け加える要素が必要だ。
 このあたりも、もう少し撮っていかないと分からない。

岩屋堂1-13

 今回の収穫は、三脚使いに少し慣れたことと、三脚を使わないと撮れない写真がやっぱりたくさんあることを再確認したことだった。三脚を使えば確実に世界は広がる。
 これからはどこにでも持っていこうとまでは思わないけど、持っていくべきところには持っていって、恥ずかしくても使おうと思った。そのためには、もっといい三脚を買わなくてはなるまい。
 リュックを背負って、帽子をかぶり、三脚で写真を撮るおじさんになる日も近いかもしれない。ポケットがいっぱいついたベストを着たら完成型だ。

スポンサーリンク

関連記事ページ
コメント
非公開コメント

写真家たちの日本紀行

私も毎週欠かさずに見ています。先週のスローシャッターの使い方に「なるほど!」でした。

三脚を使うと写真の幅が広がるように思います。
私はマクロ的に撮影することが多いので、使用禁止とされている場所を除いて必ず三脚を使います、というか使わないと写せないです。

ぜひ、カメラザックを背負って、野球帽を逆に被り、リモコンを使う「カメラ親爺」になってください。(笑)
私もカメラマンベストを買わなくちゃ・・(爆)

2009-04-29 22:53 | from mouming

1時間でも待つのか

★moumingさん

 こんにちは。
 BSデジタルって、あまり観るものがないんだけど、あの番組は毎週楽しみにしてます。
 さすがプロと思わせるところが多々ありますね。
 少し前に、風景に人のワンポイントが欲しいときは、人が通るまで1時間でも平気で待ちますと行ってた写真家の人がいたけど、そういうもんなんだと思いました。(^^;

 池中玄太80キロのスタイルに、徐々に近づいていっていいのだろうか。(^^;
 カメラマンベストはかなりハードルが高いです。

2009-04-30 02:14 | from オオタ | Edit

トラックバック

http://utusemibiyori.com/tb.php/1404-ce25639b