足元の小さな春はかがまないと見えない <東谷山後編> - 現身日和 【うつせみびより】

足元の小さな春はかがまないと見えない <東谷山後編>

東谷山2-1

Canon EOS D60+Canon EF100mm f2.8



 春は足元からやって来る。お金を落とした人のように、注意深く地面を見ながら歩いていると、お金では買えない喜びをそこに見つけることができる。初春のホトケノザ一株。プライスレス。
 地面にかがみ込んでCSI科学捜査班のように写真を撮っている姿は、客観的に見るとちょっと怪しい。でも、世間の冷たい視線に負けていては小さな野草の写真は撮れない。野草撮りの恥はかき捨てくらいの意気込みが必要だ。
 上級者はシート持参で腹ばいになるらしいけど、私はまだそこまで達観できていない。野草王への道のりは遠い。
 今日は東谷山フルーツパークの後編ということで、野草編をお送りします。小さな春は、もうやって来ていることを知ってもらうために。

東谷山2-2

 街中ではまだ見かけることが少ないタンポポも、ここではすでにたくさん咲いていた。東谷山フルーツパークはホントに春が早い。春一番の野草を見に行くのにオススメのところだ。
 農業センターはどうなっているだろうか。東山植物園もそろそろ気になってきた。

東谷山2-3

 花は終わってすでに綿毛になっているのも多かった。タンポポのサイクルはどれくらいの早さなんだろう。芽が出て、花が咲いて、綿毛になって、それが飛んでいくまで何日くらいなのか知らない。タンポポは自分の家で育てるものではないし、そんなにタンポポのことを気にして生きていられない。

東谷山2-4

 これもタンポポだろうか。だとしたら、どの段階なのだろう。花が終わったところなのか、綿毛のあとなのか。
 アップで撮ったら面白い写真になった。これが完成型の植物であってもいい。

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 春一番の野草の中では、このナズナが一番早いのかもしれない。他の野草はよく探さないと見つけられないけど、こいつは探すまでもなくあちこちに咲いていた。
 七草粥の一員だから、1月7日には咲いていなくてはいけないわけで、そう考えると今咲いているのも当然といえば当然か。
 何度覚えても忘れてしまう春の七草だから、ここでもう一度おさらいして覚え直しておこう。
 セリ、ナズナ、御形(母子草)、ハコベラ(ハコベ)、仏の座(小鬼田平子)、すずな(蕪)、すずしろ(大根)。

東谷山2-6

 ハコベも初春野草の中では初期メンバーの一つだ。
 野草写真の撮り方も鈍っているけど、野草の見分け方も一年ぶりということで勘が戻らない。
 ハコベも、コハコベとミドリハコベの見分け方を忘れてしまっている。ウシハコベやノミノフスマなんてのもあったっけ。
 また一から出直しだ。

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 スイセンは冬に咲く白くて清潔な花という印象だけど、わりと長く咲いているから、最盛期がいつかというのがはっきりしない。12月くらいから咲き始めて、4月くらいまで咲いている。1月の今はもう終わりかけていたから、一番のピークは12月ということになるのだろうか。
 スイセンの学名ナルキッサスは、池に映る自分の顔に見とれて水に落ちて死んだギリシャ神話の美少年から来ている。水辺でうつむいて咲いているスイセンも、自分の姿に見とれているのだろうか。

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 これは明らかに野草ではない。原産国では野草なのかもしれないけど、日本では違う。
 名前は知らない。野草でもなく、ポピュラーな園芸種でもなければ、初めから名前を当てることはあきらめている。そこまで手を広げられない。基本的なものでさえ覚え切れてないのに。

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 こういうキク科の花も多くて、区別は半ばあきらめている。野草っぽくもあるけど、やっぱり園芸種だろう。
 この花を見たら、キクザキイチゲとニリンソウを思い出した。3月の終わりにはまた足助の飯盛山に会いにいこうか。
 毎年見たいと思いつついまだ見たことがないセツブンソウはどうしよう。鳳来寺の石雲寺まで行けば群生しているのは分かっているけど、ちょっと遠い。どこか近場で咲いてないのだろうか。でも、植物園なんかで見ても面白くない。やはり野生で咲いているのを見てこその感動だ。
 完全な山歩きになるけど、鈴鹿の藤原岳で見るというのも念願の一つだ。

東谷山2-10

 おまけはシロハラさん。だと思う。
 茂みでガサゴソ音がするから何だろうと思ったら、シロハラが葉っぱの中を突いてエサを探していた。地面の下では、もう虫たちが動き出しているのだろうか。

 これから少しずつ春も深まっていく中で、野草も増えて賑やかになっていく。2月になればセリバオウレンも咲く。そこで福寿草も見られるかもしれない。
 撮る回数を重ねていけば、野草撮りの勘も戻ってくるだろう。冬の間は休んでいることが多かったマクロレンズの登場回数も多くなる。去年までとは違う野草写真の表現というのも模索していきたい。
 1月もそろそろ終わりが近づいた。暦の上ではまだひと月は冬だけど、冬と春が融合するのが2月という月だ。冬にやり残したことはないか、撮り逃したものはないか、もう一度確認してみる。この季節が行く前に、残り少ない冬を愛おしもう。

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