赤福だって作って作れないことはないけど本物は作れない

Canon EOS 10D+TAMRON SP 28-75mm f2.8
白玉粉を使った和菓子作りの第三弾はとして、赤福に挑戦してみた。
しかし、毎度のことながら本物にはとうてい及ばないことを思い知らされる。赤福も単純なようでいて奥が深い菓子だということが分かった。
赤福なんてものは、白玉粉で作る餅と漉し餡のたった2種類しかパーツがない。にもかかわらず、これを家庭で再現するのは至難の業だ。まあ考えてみれば、誰でも家で作れたらわざわざお土産に買って帰らないし、簡単に真似できれば同じ菓子が林立している。御福餅はあるものの、赤福はほぼこれ一本勝負で全国トップの地位を守り続けているのだから、それはもう秘伝の技があるに違いないのだ。
実際に作ってみると、どの部分に差があるのかがはっきりする。単純な話、赤福は餅の軟らかい食感が生命線だということにあらためて気づいた。これを白玉粉だけで再現するのは無理と見た。もっと何か違うものを入れて、蒸し方とかも工夫してるに違いない。単純にこねて、ゆがいただけではあの食感の餅はできない。違いはここだけといってもいいのだけど、このわずかの差が決定的な差として表れる。
赤福は翌日になると固くなって美味しさが半減するけど、本家でさえそうなのだ。売れ残って固くなった餅を再生していた技術はすごい。私はむしろそこに感心した。あんな特殊技術を失ってしまうのは惜しい。再生赤福でも充分美味しかったし、作りたてと違いは分からなかった。むしろ復活後の赤福は、前より味が落ちたような気さえした。
もう一つの違いとして、餅と餡の絡み具合というのもあった。餅をゆがいてしまうと表面がつるっとするから、水気を拭いても餡との絡みが悪くなる。やはり蒸して作るべきだったか。そうすれば食感も違ってくるかもしれない。
漉し餡は作ると大変だから、市販のものを買ってきた。なので、味に失敗はなかった。
もし、小豆から漉し餡を作ろうと思ったら、相当手間暇がかかる。小豆をゆがいて、丁寧に皮を取ったあと、何度も漉して、砂糖を入れて煮詰め、水飴を加えて、ゆっくりかき混ぜながら更に煮詰めていく。これをやろうとすると半日仕事になりそうだ。
簡単に作り方を説明すると、まずは白玉粉に少しずつ水を加えながらよくこねて、粘土のようにする。そこに砂糖を加え、更によくこねる。塩も少しだけ入れる。
粉っぽさがなくなったら、一つ20gくらいに分けて、煮立ったお湯でゆがく。最初は鍋の底にくっつくからはがして、浮いてきたら取りだして、氷水でしめる。水気を拭いたら餅は完成だ。
あとは餅と同量くらいの漉し餡をまぶせば出来上がりとなる。
赤福特有の波打つラインを再現するのも意外と難易度が高い。あれは五十鈴川の流れをイメージしているそうだけど、どんな道具を使っているのだろう。ナイフとかスプーンの裏とか、いろいろ試したけど、上手くラインを作れなかった。赤福を食べるときに使う木べらを取っておくべきだったか。
買ってきた漉し餡だから、美味しいのは最初から分かっていた。赤福再現度となるとどうだろう。甘めの採点で65点から70点くらいだろうか。けっこう赤福っぽい。でも、赤福と思って食べると、餅の固さがどうにも気になる。買ってきて3日目くらいの赤福といえばそんな感じかもしれない。
満足度としては、もう言うことはない。一回作って納得した。ケーキ作りのように何度も失敗して上手くなるというのではないし、一度で限界も分かった。食べたくなれば、漉し餡と白玉粉を買ってくればいつでも作れる。
白玉粉で作る和菓子は、これで一区切りとなる。次はもっと別の何かを作りたい。それで思いついたのが、たい焼きだ。もう何年食べてないか。ときどきふっと思い出して食べたいなと思うことがあるけど、わざわざ買いに行ったりはしない。今どきはどういうところで売ってるんだろう。1個だけ買うのも気が引ける。となると、自分で作るしかない。
ただ、たい焼き作りは道具なしでどうにかなるものではない。あのたい焼き型のプレートがどうしても必要だ。調べたら2,000円くらい出せば買えそうだということが分かった。けど微妙な値段だ。買っても2、3度作ってそれっきりになるのは目に見えている。一回試しに作ってみるだけなら1,000円くらいにおさめたい。100円ショップでは売ってないだろうな。
買ったらたくさん作って人に配るか。ホットケーキの素で作ったら美味しくできそうな予感がある。よし、次はたい焼きにしよう。
手作りたい焼き紹介は、意外と早くやって来るかもしれないのでお楽しみに。
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