人のいる秋の動物園風景 <東山動物園1> - 現身日和 【うつせみびより】

人のいる秋の動物園風景 <東山動物園1>

東山人風景-1

Canon EOS 20D+Canon EF80-200mm f2.8L



 初めてのLレンズは重かった。そして、大きくて恥ずかしかった。手で持つと指がしびれてくるし、肩に担ぐと重くて肩こりになりそうだし、すれ違う人の視線が気になる。赤ハチマキの重圧とはこういうことかと思い知る。
 EF80-200mm f2.8LというのはEFレンズ最初期のもので、発売からすでに20年近くが経過しているオールドレンズだ。おそらく中古で買える最も安いLレンズの一つだろう。IS付きのノーマル望遠レンズより中古相場は安い。いつか買ってしまうとは思っていたけど、ついにLまでいってしまったとなると、もはやレンズ沼の最深部に近い。値段を見れば上はキリがないにしても、一般的に買えるレンズの中ではもうこの上はあまり残っていない。今回は相場よりかなり安く買えるチャンスだったので思い切って買ってしまった。
 まだ手探りの段階なので、写りに関してはまだなんとも言えない。200mmの明るいズームということで、テストの場所は動物園とすぐに決まった。今回最初のテストということで試したのは、なるべくISO感度を100に保って、開放一段か二段絞りのf3.2かf3.5で撮ったらどんな写りになるかを知るというものだった。解像感重視ならf5.6以上絞るべきなのだろうけど、せっかく明るいレンズなんだからできれば開放付近で使いたいという思惑があった。
 その結果、撮った写真を見たときの第一印象としては、思ったほどじゃないというものだった。悪くはないけど、異次元というほどでもない。古いレンズということもあるし、ズームだし、そもそもこのレンズの評価もLレンズの中では並レベルといったところなので、まあこんなものかなとも思う。もう少し絞って撮れば少し印象が違ってくる可能性はある。
 レンズの話はとりあえずこれくらいにしておいて、今日の写真は東山動物園で撮ってきたものだ。200mmということで望遠よりもポートレートで使いたいという思いがあったので、動物よりも人をたくさん撮ってきた。今日の写真は特に人入り写真を中心に集めてみた。人がいる動物園の風景というのが私は好きで、人は多いよりも少ない方がいい。閑散とした雰囲気の動物園は、なんだかセンチメンタルで心惹かれるのだ。
 時間は例によって夕方で、日も傾いて条件はあまりよくなかった。4時を過ぎると多くの動物たちが小屋の中に帰ってしまうため、撮れる動物が少なかったのは残念だった。平日の閉園間際の動物園の空気感が伝わるといいのだけど。

東山人風景-2

 東山動物園は古い動物園で、昭和の風情が色濃く残っている。けど時代遅れには時代遅れのよさもあるわけで、すべての動物園が洗練された新しい動物園である必要はない。東山動物園も大がかりな改装を計画しているようだけど、古い部分のよさは残してもらいたいと思う。むしろこのまま変えずに残していけば、30年、50年経ったときにもっと味が出て、古さが売りになるんじゃないか。どこもかしこも旭山動物園の真似をしなくてもいい。
 左上のメニューを見て欲しい。だんご、フランク、ドック、ポテトと、今どきの若者並みの略し方がいかしている。フランクフルトをフランク、ホットドッグをドックとは、他では見たことがないような新しい略語だ。
 森永アイスクリームのケースも懐かしい。

東山人風景-3

 動物園くらい老若男女という言葉がふさわしい場所は他にない。若いカップルから、子連れの若夫婦、孫を連れたおじいちゃん、おばあちゃん、ちびっ子軍団に中年のおばさま、カメラのおやじ、単独の若い男子、女子というのも意外に多い。ヤンキーカップルとかもけっこういたりする。
 動物園を訪れている人は基本的に善良な人たちなので、ピリピリしたところがなくて穏やかなのがいい。特に平日はそうで、この中でのんびりした時間を過ごしていると、世界は何事もなく平和だと錯覚してしまう。

東山人風景-4

 キリンの広場は広くて、ベンチが並んでいるので、ここでまったりと座って過ごしている人たちも多い。
 小さな赤ちゃんを背負ったお母さん二人連れもいた。幼すぎて動物のこともあまりはっきりは分からないだろうけど、何らかの印象や記憶を刻むのだろう。それよりも、お母さんたちが動物園に来たかっただけかもしれない。

東山人風景-5

 一人で訪れいてる女の人も少なくない。ひとり動物園というのは、思っているよりもありがちなことで、難易度も低い。私も自分でやってみるまでちょっと厳しいんじゃないかと思っていたけど、やってみたら全然平気だった。一人で喫茶店に入れない私でも一人で動物園は大丈夫だ。

東山人風景-6

 紅葉風景は植物園の方で、動物園は冬の枯れ葉風情だった。冷たい風が吹いて落ち葉が舞っていた。
 カップルなら寒くないかといえばそんなこともなく、一人で寒いものは二人でも寒い。

東山人風景-7

 私が入った4時過ぎは、もうみんなが帰る時間だ。動物たちも小屋に戻り、みんなは出口へと向かって歩いていく。4時半を回れば、園内は一気に寂しくなる。

東山人風景-9

 さっきまで人が集まっていたキリンの前も、いつの間にか人がいなくなっていた。
 階段を登るカップルの後ろ姿だけがあって、閑散とした園内の様子を物語る。

東山人風景-8

 外国人一家も動物を見に来ていた。この日は見なかったけど、韓国や中国の人なんかも多い。

東山人風景-10

 一頭だけいるラクダさんがいつも寂しげで気にかかる。決まってこのポジションにいて、通りかかる人の顔を見て何かを無言で訴える。はしゃいだ陽気なラクダというのは見たことがないけど、東山のラクダは特別寂しげだ。せめてもう一頭でもお仲間を増やしてあげて欲しい。

東山人風景-11

 キリンのところにいた女の人が今度はペンギンのところでフレームイン。このあとあちこちで見かけることになる。いい被写体だったので入ってもらった。
 ペンギンは、右のがキングペンギンで、上にいるのがイワトビペンギンだ。イワトビは初めて見たようにも思う。名古屋港水族館で見ただろうか。

東山人風景-12

 カリフォルニアアシカが雄叫びを上げているところ。その向こうには先ほどの外国人一家がゴマフアザラシを見ながらビデオを撮っていた。
 秋の動物園らしい一枚に仕上げるなら、もう少し絞らないといけなかった。

東山人風景-13

 ごはんをあげる飼育員さんとごはんをもらうシマウマさん。夕方がエサタイムになっている動物も多いのだけど、たいていは小屋の中での食事になるので写真には向かない。シマウマは外での食事だった。
 動物園の飼育員になるには、地方公務員試験を受けて市の職員になって派遣されるか、動物園ごとの採用試験に受かるかするか、どちらかが一般的だ。動物学などを専門に勉強した人が有利になるところもあるらしい。
 全国の主な動物園は95で、飼育係として働いている人は約1,800人だそうだ。異動は少ないから、新規採用されるのは難しいという。
 私にその気はないのだけど、ちょっと気になったので調べてみた。

東山人風景-14

 東山動物園の営業時間は4時50分までで、4時半くらいから後片づけを始める店が多い。中には早々に店じまいしてしまうところもある。
 写真の店は、古い吊り下げ式モノレールを展示してある真下で、間違ってモノレールが落ちてきたら完全にペシャンといってしまう。頭の上が気になる。

東山人風景-15

 閉園時間となって帰るところ。ベビーカーのお母さんたちはおしゃべりしていてなかなか帰りそうな気配を見せない。
 第58回東山公園秋まつりと書かれていて、その下がステージのようになっている。週末は何かイベントでもしてるのだろう。

 今日のところはこれくらいで終わりにしよう。東山の写真は、あと2回か3回分くらいある。続けてになるか、飛び飛びになるか分からないけど、続きは明日以降ということで。

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コメント
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はじめまして。いつも当方のブログを拝見してくださって、有難うございます。私も春頃からこちらのブログをよく拝見させていただいているのですが、足跡を残さない設定にしてありますので、どうもすみません。

写真がいつも素敵で、感心しております。街の風景とか夕暮れの情景。夏場は日間賀島の露地の風景が好きで、何度も見ていました。この東山動物園の紅葉もすばらしくて、ちょっとレトロな売店の前の落ち葉の写真がすごく素敵です。

ただ、乱視で画面の文字を追っているのに力が必要なので、文章のほうはあまり見ていません。すみません。

私もこんなふうに撮ってみたいな・・と思うのですが、花鳥園の更新と休日には好きな山へ行って山や草木の写真撮っていることが多く、街はどうも苦手なので、思うだけで実行していません。今日も山へと思ったのですが、寒波による積雪で冬季通行止めになってしまいました。

それではどうもお邪魔いたしました。また拝見させていただきます。

2008-11-22 10:36 | from Toshihiro

いつでも心に花鳥園

★Toshihiroさん

 はじめまして、こんにちは。
 ようこそいらっしゃいませ。

 毎日のように伺ってます。(^^)
 掛川花鳥園ファンなので、いつも更新を楽しみにしてます。
 こちらこそ一度くらいは挨拶をしなければと思いつつ、いつも見てるだけで申し訳ないです。
 花鳥園ももう少し近ければ月に一度くらいは行きたいのですが。
 フォトコンは残念でした。(^^;
 また来年に向けて、花鳥園にお邪魔してたくさん写真を撮りたいと思ってます。

 Toshihiroさんは山も行かれてるんですね。
 そろそろシーズンオフでしょうか。
 私も低山ハイクはよくしてました。最近ちょっとご無沙汰です。
 また来年の野草が待ち遠しいですね。

 いつでも遊びに来てください。
 私はこれからも毎日のように行くと思いますので(笑)。

2008-11-23 04:58 | from オオタ | Edit

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