アオサギの翼の長さは袖丈にちょうどいい - 現身日和 【うつせみびより】

アオサギの翼の長さは袖丈にちょうどいい

アオサギさんに接近

Canon EOS D30+EF75-300mm(f4-5.6), f5.6, 1/90s(絞り優先)


 アオサギと聞いて、あー鳥のことねと思う人と、なに青詐欺だとそれは許せんという人と、何のことだそれという人と、世の中には3種類の人がいると思う。アオサギを巡るそれぞれの人間模様。そんなことはおかまいなしに、アオサギは今日も生きている。たたずみ、エサを捉え、羽ばたき、眠る。彼らの目に今の日本はどう映っているのだろう。

 そんなに珍しい鳥ではないアオサギだけど、さあアオサギを撮りにいくぞと狙っていっていつも出会えるものではない。コサギほどいつもと同じ場所にはいない。だからといって出会えたら嬉しいかといえばそうでもない。あ、いたんだ、というくらいで。
 他のサギ同様わりと警戒心が強い方だ。人を見るとすぐに逃げ出すほとではないけど、ある程度距離が詰まると飛んでいってしまうことが多い。見てないふりをして意外とこっちを見ている。
 今日はサービスがよくて、10メートルくらいまで近づいても飛び立たなかった。首をすくめて遠くを眺めていたけど、何か考え事でもしてたのだろうか。それとも寒さで身が縮こまっていたのか。たたずむときはよくこんなふうに首をすくめている。この姿勢が落ち着くのか。
 写真ではあまり大きさが伝わらないだろうけど、実物はかなり大きい。ダイサギよりも大きい日本最大のサギだ。体長が約90cm、翼を広げると約160cmになる。160cmというのがどれくらい大きいかというと、手長猿蔵(てながざるぞう)と呼ばれた私が両手を一杯に広げた長さが約170cmだから、私がアオサギを着ると袖丈としてはちょうどいい。そのまま飛べそうな気さえするけどそれは間違いなく気のせいだ。頭のすぐ上を飛ぶと、太陽を覆い隠し、まるで怪鳥が空を飛んでいるようにさえ見える。自称バビル2世の私としてはロプロスのことを思い出して命令したくなる。しかし、ロプロスは命令されるまでもなく空を飛ぶと思う。

 アオサギと言っても全然青くないじゃないかと思った人も多いだろう。実はアオは古語では灰色をさすんだそうだ。だから名称詐欺というわけではない。
 漢字で書くと蒼鷺。英名はGray Heronで、これはそのまま灰色のサギを意味する。マガモもそうだけど、英語の方が見た目に忠実だ。
 ときどき白いサギの薄汚れたやつと間違ってる人がいるが(ホントにいるのか?)、サギが何日も風呂に入らず汚れた姿というわけではないので注意が必要だろう。
 夏羽と冬羽ではけっこう色合いが違う。夏の方がもっと頭から首にかけての白と羽の灰青とのコントラストがはっきりしてると思う。冬は全体的にくすんだ感じになる。
 婚姻期に入って色気づいてくると、クチバシがピンク色になるので分かりやすい。頭の後ろの黒い冠羽もびろ~んと伸びてきて、お洒落さんになる。
 オスとメスが同じ体色で、私には区別がつかない。

 オホーツク圏では最もポピュラーなサギで、ユーラシア大陸からアフリカ大陸の温帯・熱帯地方に広く生息している。日本には一年中いて、繁殖もする。ただ、寒い北海道では夏だけ、暑い南西諸島では冬だけしか見かけないそうだ。
 一夫一妻で、4から9月に繁殖する。たいてい同種だけでコロニーを作るけど、たまに他のサギ類とも混合するようだ。木の高いところに巣を作って、卵は一回に2~5個、オスメスともに卵を抱く。このへんがカモとは違うところだ。
 エサは思い切り肉食性。メインが魚で、その他カエルとか昆虫とか他の鳥のヒナまで狙う。くわえきれないくらい大きな魚はクチバシで突き刺して捕る。しかもかなりの大食い。多いときは一日で3kgも食べるとか。
 狩りの方法は基本的に待ち。じっと待って、通りかかったやつを素早く捕る。コサギみたいにあちこちウロチョロしない。たまにゆっくり歩く。足が長いので水深の深いところまで入って行って待てるという強みもある。
 あんまり捕れないと、民家の庭に飛んできて金魚を全部食べてしまったりもする。なかなかにどう猛なやつらなのだ。こいつがいるところにはカラスも近づかないらしい。

 アオサギはかつてかなり数が減ったことがあった。高度経済成長で川や池が汚れた時代に。それが最近の水質改善でかなり増えたという。ここ10年くらい環境のことが言われるようになって、いろんな取り組みもあって街の川もずいぶんきれいになった。カワウがすごく増えたのもそのせいだろう。環境破壊が叫ばれている中、アオサギたちにとっては日本もずいぶん棲みやすくなったもんだと感じてるのかもしれない。
 アオサギ? ああ、あの灰色のサギのことね。これを読んだあなたは明日からさりげなくそんなふうに答えられるようになったはず。サギに詳しい人の仲間入りです。いらっしゃいませ。まだ他にゴイサギやアマサギなんてのもいますぜ。

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コメント
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こんにちは~♪
アオサギ君、首をすくめて可愛いですね^^。
北海道では、夏鳥なので、今は全く見ることが出来ないんですよ~。
おとぼけ顔がけっこう好きです^^
鳥さん撮りはじめると、特徴なんかも興味深いですね~、
これからもいろいろ教えてください(∂_-)ネッ

2006-01-07 14:48 | from かぼちゃ | Edit

北海道は遠いけど心の中では近い場所

★かぼちゃさん

 こんにちは。
 やっぱり北海道でしたか。あの雪深さはそうじゃないかと思ってました。
 今年はどこも雪が多くて大変みたいですね。そちらは大丈夫ですか?
 ニュースでさっぽろ雪まつりの準備が始まったというのを見たけど、今年は雪には困りませんね。(^^;

 アオサギさんは北海道ではやはり夏鳥なんですか。鳥も暑さ、寒さの好き嫌いってはっきりしてますね。
 北海道ならではの鳥や生き物の写真を見せてくださいね。楽しみにしてます。鳥のこともいろいろ教えてください。私の鳥の知識は常に一夜漬けなので、かなり怪しかったりします(笑)。
 名古屋からはそちらよりもずいぶん早い春の便りをお届けできそうです。春の野草が待ち遠しい。

 それでは、また。

2006-01-08 05:33 | from オオタ | Edit

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