7月の海上の森は花が少ない時期だから実とかキノコで水増し - 現身日和 【うつせみびより】

7月の海上の森は花が少ない時期だから実とかキノコで水増し

海上の森花編-1

Canon EOS 20D+TAMRON SP 90mm f2.8



 今日は海上の森の花編をお届けします。といっても、7月の森は花が少ない。一年を通じて花のピークは春で、夏になるとぐっと減って、秋にまたちょっと増える。花が少なくなった森を歩くと、一年の後半戦はもう始まっているのだと自覚せずにはいられない。それが寂しくもあり、気持ちに焦りも生む。そして、春を懐かしむ。4月はよかったなぁ、と。
 有名どころの花も、アジサイがほとんど最後だ。ヒマワリは森には咲かないし、あとはヤマユリとハスくらいだろう。それらが終わると、もう紅葉を待つだけとなる。そう考えると、一年なんてあっけないものだ。
 そんなわけで、今日の花編では、数少ない野草と、何かの実などを紹介することにしよう。

 一枚目はたぶん、オカトラノオでいいと思う。
 こんなふうにたくさんの小さな花を穂のようにつける花は、なんとかトラノオという名前がついてるものが多い。ハナトラノオとか、ヌマトラノオとか。虎の尾に似てるとは思わないけど、そう命名されている。
 ヌマトラノオとオカトラノオは、名前の通り、沼のような水辺に咲くのがヌマで、陸地に生えているのがオカトラノオだ。花の姿はよく似ているものの、オカトラノオは先端が垂れ下がるのに対して、ヌマトラノオは上に向かって伸びるから、区別はつく。
 ノジトラノオという似てるやつもあるけど、めったに見かけないからあまり気にすることはない。

海上の森花編-2

 毎年この時期にこれを見ると、あー、こいつ、なんだっけと思う。思い出そうとして思い出せないもどかしさ。最初いつも、ヤマハッカかなと思って、いやいや違うと思い直す。家に帰ってきてから図鑑を見返して、ああ、そうか、アキノタムラソウかと気づく。気づくのだけど、毎年確信が持てない。他の花のような気もしてしまう。
 だいたいからして、夏に咲く花なのに秋の田村草という名前が紛らわしい。ナツノタムラソウにしておけと思うと、ナツノタムラソウという花がすでにある。それもやっぱりアキノタムラソウに似ているから話をややこしくする。でも、ナツノタムラソウというのは実物を見たことがないので、よく分からない。
 夏と秋があるなら春もあるんじゃないかと思うと、本当にある。あまり似ていない。
 面倒だからまとめてタムラソウということにしようとすると、タムラソウというアザミのニセモノみたいなやつがいるのだ。
 そんなこんなで、毎年、それじゃあ一応アキノタムラソウということにしておこうかというところに落ち着く。ナツノタムラソウは、写真で見る限り、もう少し花の色が濃い紫色をしている。

海上の森花編-3

 こんなものを撮ってもしょうがないと思いつつ、他に撮るものがなくてとりあえず撮ったハルジオン。
 ハルジオンとヒメジョオンの区別も毎年混乱するものの一つだ。つぼみが下を向いて垂れ下がっているのと上を向いているのとで見分けがつくはずなのだけど、どっちがどっちだか忘れてしまう。ヒメの方が恥じらいがあってうつむいてるのだろうと思うと、それは間違いだ。ハルの方が下を向いていて、ヒメは上を向いている。写真のものはうつむいてるからハルジオンというわけだ。
 ヒメジョオンの方が背が高くて花が多くて、ハルジオンは背が低くて花が少ないという覚え方もある。

海上の森花編-4

 今回もまた、時期も時間帯もタイミングを外して、コモウセンゴケの花を見ることができなかった。この日は日差しが弱かったこともある。
 たぶん、トウカイコモウセンゴケだとは思うのだけど、上の方のつぼみが白で、下の方のつぼみがピンク色を予感させる。通常、ピンク色のものをトウカイコモウセンゴケと呼んでいるはずだ。これはどっちなんだろう。
 葉っぱが虫を捕まえているところも見ることができなかった。この夏、両方見られると嬉しいのだけど。

海上の森花編-5

 マクロレンズを買うと、必ずといっていいほどやりたくなるタンポポの綿毛写真。あまりにもありきたりすぎて、撮るのも恥ずかしい。
 でも、久しぶりにこうして撮ってじっくり見てみると、これは本当に自然の造形美だと思う。シロクジャクの羽にも似ている。
 今思いついた。これに息を吹きかけて、綿帽子が飛んでいく瞬間を撮ったらどんなふうに写るだろうと。シャッタースピードが上手く決まれば面白い写真になるんじゃないか。今度やってみよう。

海上の森花編-

 ソーセージみたいでちょっと美味しそうなガマの穂。これは森の中ではなく外で撮ったものだ。近くのビオトープに生えていたから、人の手で植えられたものかもしれない。
 ガマは一般的なガマの他に、ヒメガマとコガマがある。それぞれ穂に特徴があって、一度覚えれば区別がつくようになる。下のソーセージ部分が雌花穂で、上の細い部分が雄花穂となっていて、くっついていればガマで、上の写真のように離れているものはヒメガマとなる。コガマはガマの小さい版だ。
 秋になると穂が破裂したようになり、白い綿がむくむくとわき出てくる。そこから胞子を飛ばして増えていく。

海上の森花編-7

 何かの実。正体はまったく不明。花の区別もつかないのに、実を見ただけで木の種類まで見分けられない。花の時期に歩いていれば、どんな木か分かる可能性は高くなる。同じ場所を違う季節に歩くというのは、花の勉強ではけっこう大事なことだ。一年を通じて観察していると、もっといろんなことが分かるようになってくる。

海上の森花編-8

 ヘンテコリンは実を見つけた。葉っぱもなく茎から伸びて先端で実をつけて丸まっている。重そうなにに折れないのだろうか。
 これは一体何者だろう。実はここから色を変化させていくのだろうか。

海上の森花編-9

 あれ? 野いちごがこんなところに実をつけるものかなと、最初思った。目線より高い木の上になっている。野いちごというと、ヘビイチゴのように地面近くで花を咲かせて実をつけるというイメージがある。木に実をつける木いちごもあるけど、こんなに背が高くなるだろうか。
 帰ってきて調べたら、楮(こうぞ)だということが判明した。和紙の原料となるコウゾの木は、こんな実をつけるんだ。初めて知った。ヘビイチゴなどは食べても不味いそうだけど、コウゾの実はけっこう甘いらしい。でも、木いちごとは種類が違う。バラ科ではなく、桑科だ。
 同じく和紙の原料となるミツマタの木は、足助にカタクリを見に行くとちょうど花を咲かせている。今度は、コウゾの花も見てみたい。

海上の森花編-10

 花も実もネタが尽きたので、最後はキノココレクションで水増ししよう。
 食べたらダメそうなキノコその1。

海上の森花編-11

 食べたら絶対ダメっぽいキノコその2。

海上の森花編-12

 ちょっと食べられそうな気がするけど、たぶん食べたらダメであろうキノコその3。
 もちろんどれも引っこ抜いてその場でかじったりはしない。触るのさえ恐れて、30センチ以内にはなるべく近づかないようにしている。
 おなかが減ってどうしようもなくなったら、森へ行くとけっこう食べるものがありそうだけど、キノコは最後の最後にしたい。

 7月初めの海上の森としてはこんなものか。もっと花の多いエリアもあるから、そっちを歩けばまた違った収穫があっただろうと思う。
 蝶や虫に関しても、集落近くの方が出会える確率は高い。これからの季節ならセミ狙いというのもある。朝早く行けばカブトやクワガタもきっといるだろう。ただ、あの森は子供たちだけで行くようなところではないし、カブトなどがいる木があるところは限られているかもしれない。
 夜に行けばムササビも飛ぶというから、奥には野生動物もいそうだ。イノシシ注意の看板があるから、イノシシは必ずいるはずだ。前から突進してくるイノシシの写真を激写したい。
 夏の森は、小さな虫や蚊、クモの巣という強敵だらけで、なかなかに厳しいものがある。それにやっぱり暑い。森は涼しいだろうだなんて思ったら大間違いだ。夏の森はデートには向かない場所だ。
 次に私が行くとしたら、9月くらいだろうか。8月の終わりに夏の終焉を感じに行くというのはあるかもしれない。

スポンサーリンク

関連記事ページ
コメント
非公開コメント

トラックバック

http://utusemibiyori.com/tb.php/1043-5b61939e