カテゴリ:音楽(music)

記事一覧
  • 勝手に発表 ~新規開拓アーティスト 【kiki vivi lily】編

     勝手に発表シリーズの新規開拓アーティスト編の今回は、kiki vivi lily(キキヴィヴィリリー)を紹介します。 初めてkiki vivi lilyを知ったのがいつだったのかは忘れてしまったのだけど、ああ、いいなと思ったのは『Blue in Green』を聴いたときだった。 ただ、そのまま続けて聴くこともなく、後追いすることもないまま時が流れて、つい最近、新曲として発表された『Lazy』を聴いて、あ、やっぱりkiki vivi lilyいいじゃん、...

    2021/10/12

    音楽(music)

  • 勝手に発表 ~新規開拓アーティスト 【あらためてYOASOBI】編

     勝手に発表シリーズの新規開拓アーティスト編の今回は、あらためてYOASOBI編と題してお届けします。 YOASOBIについては以前一度、”紹介したい実力派アーティストたち”編の中で、『夜に駆ける / THE HOME TAKE』を紹介した。 ただ、それだけで終わらせてしまうのはもったいないし失礼なので、今回独立した”YOASOBI編”としてあらためてお送りします。 YOASOBIについて知らない方に簡単に説明すると、ソニーミュージックが運営す...

    2021/10/01

    音楽(music)

  • 勝手に発表 ~新規開拓アーティスト 【羊文学】編

     勝手に発表シリーズの新規開拓アーティストの今回は”羊文学”編をお送りします。 羊と文学とくれば村上春樹でしょうと、勝手に思い込んで聴いてみたら違った。たぶん、本人たちは意識していないと思う。あるいはしているのか。 文学を名乗るくらいだから文学的かといえばそうでもない。少なくとも文学的表現に満ちているわけではない。 羊文学を紹介するとき、”オルタナティブロックバンド”とされることが多い。周りが勝手にそ...

    2021/09/24

    音楽(music)

  • 勝手に発表 ~新規開拓アーティスト【コレサワとにしな】編

     勝手に発表シリーズの新規開拓アーティスト編の今回は、コレサワとにしなを紹介します。 コレサワとにしなは似ているといえば似ているし似ていないといえば似ていない。 ただ、私は最初ごっちゃになっていて、どっちがどっちかよく分かっていなかった。 それは、ふたりの声質が似ているように思えたのと(聴き慣れると似ていないのだけど)、ふたりともタバコに関する歌を歌っていたせいだ。 タバコを主題とした歌を歌ってい...

    2021/09/16

    音楽(music)

  • ホーム
  • 次 ›

勝手に発表 ~新規開拓アーティスト 【kiki vivi lily】編

音楽(music)
空と雲

 勝手に発表シリーズの新規開拓アーティスト編の今回は、kiki vivi lily(キキヴィヴィリリー)を紹介します。

 初めてkiki vivi lilyを知ったのがいつだったのかは忘れてしまったのだけど、ああ、いいなと思ったのは『Blue in Green』を聴いたときだった。
 ただ、そのまま続けて聴くこともなく、後追いすることもないまま時が流れて、つい最近、新曲として発表された『Lazy』を聴いて、あ、やっぱりkiki vivi lilyいいじゃん、となり今日の勝手に発表となった。
 特別意識もしていなかったのでkiki vivi lilyが何者かということも知らずにいた。単独なのかバンドなのかユニットなのかも分かっていなかった。
 wikiのページに略歴が載っていて、それによると福岡県福岡市出身で1990年生まれというから今年で30歳になる。もう少し若いアーティストだと思っていたけど、けっこうキャリアがある。
 YouTubeのチャンネルの登録者数は5万人近いから私が思うよりもメジャーのようだ。
 若い頃は”ゆり花”として活動していたようで、YouTubeにそのときの動画がアップされている。
 いかにも地方のアイドルといった風情で初々しくて微笑ましい。
 ネットにインタビュー記事がいくつかあったのでざっと読んでみた。それで初めて、なるほどこういう人だったんだと知ったのだった。しっかりした考え方を持っていて人柄にも好感が持てる。

 【ASIAN FACE】kiki vivi lily にインタビュー「自分が聴きたい曲しか作らない」(Yoshimura Ayaka)

 kiki vivi lily「思い描いていたサウンドを作ることができた」、最新アルバム『vivid』を語る(ふくりゅう)

 スウィート&グルーヴィな新世代SSW(森 朋之)

 【kiki vivi lily インタビュー】一日の流れを表していて、日常に寄り添うアルバムになった(田中 大)

 kiki vivi lily、“味覚”で表現した手の届く範囲のファンタジー 生活スタイルの変化が音楽に与えた影響(永堀アツオ)




 kiki vivi lily 『Lazy』 2021年10月1日

 甘い歌声と心地いいサウンドがkiki vivi lilyの持ち味には違いないのだけど、それだけでもない。
 kiki vivi lilyってどんなアーティスト? と訊かれて即答するのは難しい。誰かに似ているわけではないけど、すごくオリジナルとまでは言えない。
 オーディオセットの前に座ってしっかり聴き込むような音楽ではないし、何か作業をしながらBGMとして流すのはもったいない。夜のドライブのお供にちょうどいい感じとでも言えばいいだろうか。
 引っかかりがあるようでなく、ないようである。一日に一回くらい聴いておきたいなと思わせるのがkiki vivi lilyだ。
 本人はアルバムを大事にしているとインタビューで語っているから、アルバムを聴くとまた違った感想になるかもしれない。




 kiki vivi lily × SUKISHA 『Blue in Green』 2019年2月12日

 kiki vivi lilyとの初めての出会いがこの曲だったから、kiki vivi lilyは都会派のオシャレなアーティストという認識だった。
 それはそれで間違ってはいないのだろうけど、いろいろな曲を聴いていくと必ずしもそちらの方向性ではないことが分かってくる。
 曲の歌詞に物語性や具体性が薄いのも特徴で、そういう曲が好きだからとkiki vivi lilyは語っている。

 SUKISHA(数奇者)というのがよく分からなかったのだけど、wikiのページによると”シンガー・トラックメイカーHiroyuki Ikezawa(池澤 寛行)による音楽のプロジェクト”らしい。
 何曲かkiki vivi lilyと組んでいる。




 kiki vivi lily 『Touring』(Prod. by Kan Sano) 2021年5月26日

 ここまで3曲聴いてもらったらkiki vivi lilyの特徴がだいたい掴めたんじゃないかと思う。
 私がどう形容していいか分からないといった理由も分かってもらえるんじゃないだろうか。
 合わない人もいるだろうけど、好きな人はハマるはず。




 kiki vivi lily 『ひめごと』 2020年12月11日

 少し曲調が違うと思ったら、ゆり花時代の曲のようだ。それをkiki vivi lilyとしてアレンジしている。
 やはりサウンドって大事だと、あらためて思う。
 シンガーソングライターだけでは表現できない部分もある。




 SUKISHA × kiki vivi lily  『Pink Jewelry Dream』 2019年8月15日

 ここまで続けて聴いてきたらあとはkiki vivi lilyの音楽に身を委ねるだけだ。




 SUKISHA × kiki vivi lily  『Gray Spring』 2020年4月9日

 kiki vivi lilyとして珍しくドラマ仕立てのMVになっている。
 これはこれでいい。歌詞が頭に入りやすい。




 kiki vivi lily  『AM0:52』 2017年5月31日

 2017年の少し古い曲も聴いておく。
 kiki vivi lilyとしての活動は2015年からだけど一番古いのはEPの『LOVIN' YOU』になるだろうか。
 レーベルの日本コロムビアは最初からそうだったかどうかは分からない。




 kiki vivi lily × SUKISHA  『Rainbow Town』 2018年3月26日




 kiki vivi lily 『80denier』 (Session at Red Bull Music Studios Tokyo) 2021年2月14日

 スタジオ・セッションの様子。
 生歌でもちゃんと上手い。
 別の日に撮られたスタジオ・セッション『Brand New』もアップされている。

 気に入ってもらえたら『Asian Resort』『Waste No Time』なども聴いてみてください。

 公式サイト


 これまでの勝手に発表シリーズは「音楽カテゴリ」にまとめてあります(さかのぼるときは”次”をクリックしてください)。
 
 

勝手に発表 ~新規開拓アーティスト 【あらためてYOASOBI】編

音楽(music)
空と雲

 勝手に発表シリーズの新規開拓アーティスト編の今回は、あらためてYOASOBI編と題してお届けします。

 YOASOBIについては以前一度、”紹介したい実力派アーティストたち”編の中で、『夜に駆ける / THE HOME TAKE』を紹介した。
 ただ、それだけで終わらせてしまうのはもったいないし失礼なので、今回独立した”YOASOBI編”としてあらためてお送りします。

 YOASOBIについて知らない方に簡単に説明すると、ソニーミュージックが運営する小説&イラスト投稿サイト”monogatary.com”(Web)から小説を音楽にする企画が生まれ、担当者がボカロPとして活躍していたAyaseに声を掛け、ayaseがシンガーソングライターとして活動していた幾田りらを見つけ、コンポーザーayaseとボーカルikuraとしてユニットを組んだというのが経緯だ。
 そのあたりの詳しいことについてはインタビュー記事があるので読んでいただくとよく分かると思う。

 <インタビュー>YOASOBIが語るユニット結成の経緯、音楽と小説を行き来する面白さ(billboard JAPAN)

 デビュー曲となった『夜に駆ける』はYouTubeの再生回数が2.4億回超えで、デビューから1年後の去年の大晦日には紅白歌合戦に初出場した。
 今年2021年の12月4・5日には初の有観客武道館ライブ(Web)も決まっている。
 わずか2年でこんなに順調な成功というのはなかなかない。それだけ二人の実力が飛び抜けているということだけど、ネットで音楽を聴くことがスタンダードになった時代性とYOASOBIの音楽が上手く合致したということもありそうだ。
 あらためて曲を聴き込んでみると、ayaseとikuraの才能の幸福な出会いとしか言いようがない奇跡的なユニットだと思う。
 それぞれがボカロPとシンガーソングライターとして活動していたらこれほどの成功はなかった。
 特にikuraはシンガーソングライター幾多りらとしてだけならたくさんの歌手の中に埋もれてしまっていたかもしれない。YOASOBIのボーカルikuraとして完全に才能が開花した。
 世の中にはこういった幸運な組み合わせというものが稀にある。
 とにかく名曲揃いなので、これを機にぜひいろいろ聴いてみてほしい。




 YOASOBI 『あの夢をなぞって』 2020年1月18日

『夜に駆ける』は自殺願望の女の子とその子に惹かれる男の子の話で内容がちょっと暗くて嫌と思った人でも、この曲なら大丈夫じゃないかと思う。
 YOASOBIをまったく知らない人にまず最初に私がすすめるとしたらこの曲にしたい。
 ayaseは才気走ったところがあるように感じて敬遠しがちな人もいるかもしれないけど、ボカロでJ-POPの王道を目指している人は実はあまりいなくて、そういう意味ではけっこう稀少な人という言い方もできる。
 作曲だけでなく作詞の才能にも恵まれていて、安易に英語を使わず、歌詞は正しく美しい日本語で構成されている。




 YOASOBI 『優しい彗星』 2021年1月20日

 私が現時点でどれか一曲だけ選ばなくてはいけないとしたら、この『優しい彗星』にする。
 心地よいメロディーなのだけど、内容は切なく悲しい。
 あまりに切ないので原作を読むことができない。
 MVの描写もあまり見ないようにしている。




 YOASOBI 『群青』 2020年9月1日

 ikuraのあ゛~がたまらないという人は多いはず。
 ikuraの歌声には何か特殊な成分が含まれていて人の脳を刺激するのだと思う。
 それは努力で手に入るものではなく、持って生まれたものとしか言いようがない何かだ。




 YOASOBI 『ハルジオン』 2020年5月11日

 ayaseのピッチコントロールも見事で、どういうメロディーをどういう速さで聴かせれば聴き手が心地よいかを熟知している。
 この『ハルジオン』はもっと速くてもいいはずだけど、あえて少し遅くしているんじゃないかと思う。
 曲作りは今でもボカロでやっているそうで、人間が歌うのが難しい曲も、スーパーボーカリストのikuraだから歌いこなせるというのもある。
 たとえば『夜に駆ける』などはいくつかのバージョンがあって、それぞれピッチを変えたりしている。それによってけっこう印象が違ってくる。
 最近は海外向けに英語バージョンも登場して、ますます世界観が広がっている。
 英語バージョンも単純に英語に置き換えているのではなくて、日本語との融合という面白い試みをしている。
 ikuraは3歳までアメリカのシカゴで育っているので英語発音はもちろん上手い。




 YOASOBI 『三原色』 2021年7月2日

 曲の長さはけっこう重要で、人の感覚としては1曲3分から4分がちょうどいいのではないかと思う。
 YOASOBIの曲はほとんどが4分以内におさまっていて、どの曲もちょうどいい感じがする。




 YOASOBI 『たぶん』 2020年7月20日

 他人が書いた小説を音楽作品にするというのはなかなか難しいのではないかと思うけど、一般的なシンガーソングライターと比較するとネタ切れを起こす心配がないという利点がある。
 ayaseはボカロP時代から観たアニメや映画の主人公になりきって作品を書くことをしていたそうで、ソニーミュージック担当者がayaseを指名したのは大正解だった。




 YOASOBI 『もう少しだけ』 2021年5月10日

 YOASOBIといえどもすべての曲が大当たりというわけではない。
 個人的にはこの『もう少しだけ』や『ハルカ』『ラブレター』あたりはもう一歩かなと感じる。
 これらの曲が好きという人ももちろんたくさんいるだろうけど。




 YOASOBI 『アンコール』 2021年7月2日

 最初は特にいいとは思わなかったのだけど、MVを見ながら聴いたら感動して好きになった。
 ちょっと泣ける。




 YOASOBI 『怪物』 2021年1月6日

 幾多りらとしては絶対に作らないし歌わない曲を楽々と歌いこなしているikuraはあらためてすごいと思う。
 でも、やはり本人としては幾多りらとしても曲作りをしていくことをやめたくないのだろう。ふたつの顔で上手くバランスが取れるのが一番幸せなのかもしれない。




 YOASOBI 『大正浪漫』 2021年9月15日

 先月9月15日に発表されたばかりの新曲。
 大正時代を舞台にした作品ということもあって、これまでとは少し雰囲気が違うものとなっている。
 今後、YOASOBIの世界がどこまで広がっていくのか楽しみだ。
 ユニットとしてはそう遠くない将来に終わるときが来るだろうから、それまではしっかりYOASOBIを追いかけていきたい。


 公式サイト



 これまでの勝手に発表シリーズは「音楽カテゴリ」にまとめてあります(さかのぼるときは”次”をクリックしてください) 。

 

勝手に発表 ~新規開拓アーティスト 【羊文学】編

音楽(music)
空と雲

 勝手に発表シリーズの新規開拓アーティストの今回は”羊文学”編をお送りします。

 羊と文学とくれば村上春樹でしょうと、勝手に思い込んで聴いてみたら違った。たぶん、本人たちは意識していないと思う。あるいはしているのか。
 文学を名乗るくらいだから文学的かといえばそうでもない。少なくとも文学的表現に満ちているわけではない。
 羊文学を紹介するとき、”オルタナティブロックバンド”とされることが多い。周りが勝手にそう呼んでいるのか本人たちが自称しているのかは分からない。
 オルタナティブって何だろうと調べてみたら、代案、代替物、二者択一、主流な方法に変わる新しいものといった意味で使われる英語由来の言葉らしい。オルタナティブを出してくださいとあの知事が使いそうな言い回しだ。
 音楽業界では、”主流なジャンルとは一線を画す新たな音楽の方向性としてオルタナティブという言葉が定着している”そうだ(新語時事用語辞典より)。
 要するにこれまでのジャンルには属さない新しいタイプの音楽性を持ったバンドということなのだろう。
 ただ、ロックバンドといっているのだけど、どの曲を聴いてもロックではないように思う。ロックの正確な定義はよく分からないのだけど。

 ボーカル兼ギターで作詞作曲を担当する塩塚モエカとベースの河西ゆりか、ドラムスのフクダヒロアの3人で構成されている。
 もともと5人組のガールズ・コピーバンドとして出発したのが2012年で、その後オリジナルメンバーの脱退と加入を経て2017年から現体制となった。
 フクダヒロアは男性だけどMVを見ると女装しているのか?
 バンド名は羊という言葉がまずあって、音楽を超えた世界観を表現するために文学をつけたとインタビューで語っている。
 塩塚モエカは慶応の文学部卒だから村上春樹くらいは読んでいるかもしれない。読んでいないかもしれない。村上春樹は早稲田だし。

 あなたは羊文学が好きなのかと問われると、そうでもないと答えることになる。すごく好きでもないけど嫌いでもない。わりと好き、というのが無難な答えだろうか。
 でも、初めて知った頃と比べるとだんだん好きになっているのは確かだ。羊文学を好きになるには少し時間がかかる。
 一度好きになればだいたいどの曲を聴いてもいい感じに聴くことができる。羊文学調といったものが確かにある。
 詩とメロディーでいうとメロディーが表で詩が裏だ。詩が先にあってメッセージをメロディーに乗せて歌っているといった感じではない。だから、羊文学の曲は何度聴いても歌詞があまり頭に入らない。私だけだろうか。

 YouTubeにアップされている動画は今のところ20本とあまり多くない。
 非公式のライブ音源の中にもいい曲があるので、今後はもう少しアップする動画を増やしてもらえると更に注目度が上がるんじゃないかと思う。
 以前聴けていた曲が何曲か聴けなくなったのはPremium会員ではなくなったせいかもしれない。
 やはり広告はとてもわずらわしいので、早く日本でもPremium Liteを始めてほしい。




 羊文学 『1999』 2018年12月5日

 2018年12月にデジタル配信されたファーストシングルで、羊文学の原点ともいえる曲がこれだ。
 2013年以降、自主製作でライブなどで音源を販売していたようだけど、2017年にインディーズのレーベルに所属して以降が本格的な活動開始時期ということになるのだと思う。
 メジャーデビューでいうと、ソニーミュージック内のF.C.L.S.に移籍した2020年ということになる。
 そういう意味ではまだ新人バンドに近い。塩塚モエカは2020年だか2019年だかに大学を卒業したとインタビューで言っていたので今は23歳前後だろう。

 ネット上にあるいくつかの記事で羊文学について知る手がかりが得られる。

 人気急上昇中のバンド<羊文学>と15のブランドが奏でるファッションコラボが実現!(三越伊勢丹)

 葛藤するあなたへ、羊文学が「POWERS」で提示するお守りと拠り所(音楽ナタリー)

 羊文学は歌い鳴らす、「声なき声」をなかったことにしないために( 天野史彬)

 「誰か」の背中にそっと手を添えて──羊文学、堂々のメジャー・デビュー・アルバム『POWERS』(鈴木雄希)


 Live in the City 塩塚モエカ(羊文学)


 インタビュー動画がアップされている。




 羊文学 『マフラー』 2018年2月7日

 2ndミニアルバム『オレンジチョコレートハウスまでの道のり』より。
 羊文学はロックではないと個人的には思っているだのだけど、じゃあ何かと問い直されると答えられない。広く言えばJ-POPに入るとしても、どういう曲調かというとよく分からない。羊文学を聴いたことがない人に羊文学の音楽を説明するのは難しい。
 それと、羊文学をどういう状況で聴くのが適しているのかもよく分からない。
 朝なのか夜なのか昼なのか。家なのか外なのか。
 どのシーンにも合いそうだし、どのシーンにも合わないようにも思う。
 自分の感情がどういうときに聴くのが合っているのかも。




 羊文学 『Step』 2017年10月4日

 ミニアルバム『トンネルを抜けたら』より
 このリズム、テンポ、メロディーが羊文学らしさと言えるんじゃないだろうか。
 もちろん、本人たちは自分たちの作風を広げようとあれこれ試行錯誤をしてるのだろうけど、聴く側というのはどうしてもそのアーティスト”らしさ”を求めてしまうものだ。
 パターン化は安定をもたらす代わりに飽きられやすくもある。
 固定ファンをつなぎとめることと新規ファンの開拓の両立はなかなか難しいのだろう。
 ただ、迷ったときに戻っていける自分らしさの土台を持っていると強みになる。




 羊文学 『天気予報』 2018年7月25日

 1stフルアルバム『若者たちへ』より
 ここまで4曲聴いてもらったとしたら、羊文学の音楽性がだいたい分かったと思う。なるほど、そういう感じねと。
 あまり好みじゃないなと感じたとしても、切り捨てるのはもう少し待ってほしい。聴いているうちに少しずつ馴染んでよくなっていくから。




 羊文学 『マヨイガ』 2021年7月7日

 今年の7月にデジタル配信された最新シングルで、アニメ映画『岬のマヨイガ』(公式Web)の主題歌となっている。
 今後、主題歌やタイアップ曲などが増えていくともっとメジャーになるはず。今から知っておくと、5年後くらいにギリギリ古参を名乗れるかもしれない。




 羊文学 『おまじない』 2020年12月9日

 2ndフルアルバム『POWERS』より。
 フルアルバムとしては2ndの『POWERS』が初メジャーということになる。
 レーベルの力もあってか、オリコン最高32位というから、私が思うよりも羊文学はよく知られた存在のようだ。
 アーティストのことをよく理解したければやはりアルバム単位で聴くのが一番だと個人的に思っている。写真家の写真を単独で見るのと写真集で見るのとの違いに似ている。








 羊文学 『白河夜船』 2021年8月25日

 5thミニアルバム『you love』より。
 静かな曲調もいい。
 こういう曲は夜静かな部屋でひとりで聴くのがよさそうだ。




 羊文学 『ラッキー』 2021年3月17日

 2021年3月にデジタル配信された曲。
 2020年から2021年の今年にかけてはライブもほとんどできなかっただろうから、ネット配信に活路を見いだそうとしたアーティストも少なくなかったはずだ。
 けど、生でライブを聴くと、やっぱり生じゃないと気づかないことや分からないことがたくさんあるなと痛感する。ライブは聴くというだけでなく見るものであり、体感することだからだ。
 たとえば、曲が始まる前に楽器を準備しているところとか、出番が終わったオフのところとか、曲の間のおしゃべりとか、現地のその場でしか知り得ないこともたくさんある。




 羊文学 『ghost』 2020年12月9日

 2ndフルアルバム『POWERS』の最後の曲。
『POWERS』のトレーラーを聴くと全体的に静かな曲が多い。メジャーを意識してというより羊文学の音楽性が少しずつ変化していっているのかもしれない。


 公式サイト


 これまでの勝手に発表シリーズは「音楽カテゴリ」にまとめてあります(さかのぼるときは”次”をクリックしてください) 。
 
 

勝手に発表 ~新規開拓アーティスト【コレサワとにしな】編

音楽(music)
空と雲

 勝手に発表シリーズの新規開拓アーティスト編の今回は、コレサワとにしなを紹介します。

 コレサワとにしなは似ているといえば似ているし似ていないといえば似ていない。
 ただ、私は最初ごっちゃになっていて、どっちがどっちかよく分かっていなかった。
 それは、ふたりの声質が似ているように思えたのと(聴き慣れると似ていないのだけど)、ふたりともタバコに関する歌を歌っていたせいだ。
 タバコを主題とした歌を歌っているアーティストはあまりいないと思うのだけど、どちらかがどちらかを意識したわけではなく、たまたま重なっただけなのだろう。
 私と同じようにコレサワとにしなと混同している人もいくらかはいるんじゃないかと思うけどどうだろう。

 ところでこれは個人的なことなのだけど、9月15日でYouTube Premiumの3ヶ月無料体験が終了して一般会員に戻ってしまった。
 3ヶ月間、広告なしの快適YouTube生活に浸っていたので、やはり広告があるとうっとうしくてしょうがない。続けて曲を聴く中でいちいち広告をスキップするためのクリックをしなければいけないのがわずらわしい。放っておくとずっと広告動画になってしまう。
 広告があってこその無料というのは分かるのだけど、もう少し広告の入れ方に工夫できないだろうか。曲の最後でもいいじゃないか。
 じゃあ続けて有料会員になればいいではないかと思うかもしれないけど、広告を外すためだけに毎月1,180円は高すぎる。
 動画見放題サービスでも1,000円程度なのに無料で見られる動画の広告を外すのに1,180円は割に合わない。
 スマホで日常的にYouTubeを見ている人ならダウンロードとバックグラウンド再生は魅力だろうけど、私は家のPCでしか見ないのでそのメリットはない。
 そうした声もやはり大きかったようで、8月から北欧で広告を外すだけのPremium Liteが試験導入された。
 ヨーロッパではPremiumが11.99ユーロで、Liteが6.99ユーロらしい。
 これを日本円に換算すると1,560円と910円になる。
 ただ、LiteがPremiumに対して6割とすると、日本では1,180円に対して700円くらいになるかもしれない。
 広告外しだけで月900円ではまだ高いけど、700円なら絶対加入する。800円までならPremium Liteにしたい。
 とにかく、一度広告なしの快適さを知ってしまうともう二度と元には戻りたくなくなることは確かだ。ちょっとの我慢という程度では済まない。
 日本でも一日も早くLiteプランが導入されることを望みたい。




 コレサワ 『たばこ』 2017年3月29日 発表

 コレサワとはどんなアーティストかと訊かれたら、等身大の女子の心を歌う女性シンガーソングライターという答えが一般的なのだろう。
 でも、私からするとどこか捉えどころがないように思える。女心を歌うというのはそうだとしても、コレサワの本質がどこにあるのか分からないような気がする。
 デビューが2011年で、メジャーデビューが2017年。もう10年以上のキャリアがあって現在29歳。
 YouTubeにアップされている曲は全部聴いたけど、まだ本当のコレサワを出し切れていないんじゃないだろうか。この先、10年、20年と曲を作り続け、歌い続けていく中でもっといいのができるように思う。
 他とは似ていないユニークな存在だし、ずっと続けていってほしい。

 ネット上にいくつかのインタビュー記事があるので、それを読むとコレサワのひととなりや考え方の一端を知ることができる。

【コレサワ インタビュー】失恋した人たちをどん底に落とし、引き上げるアルバムにしたかった(OKMusic編集部)

 コレサワの「失恋」の捉え方。簡単に言えない、女の子の複雑な心(矢島由佳子)

 <コレサワ インタビュー>リアルな失恋ソングに涙する女子続出 “顔出しNG”の可愛い理由も明かす「レンタルショップで…」(モデルプレス)




 コレサワ 『恋人失格』 2019年6月26日 発表

『たばこ』」のアンサーソング。
 女性側から描いたのが『たばこ』で、男性側からがこちらの『恋人失格』になっている。
 なかなか面白い試みだ。




 コレサワ 『君とぬいぐるみ』 2018年4月4日 発表

 センチメンタルな失恋ソングもコレサワの持ち味ではあるのだけど、こういうポップで少しコミックな曲の方がコレサワらしいといえそうだ。
 歌詞の世界観はけっこう独特だ。
 だから、好きな人は他に替えが効かないくらい好きになるのではないだろうか。
(私はそこまでではないのだけど)




 コレサワ 『この恋はスクープされない』 2021年3月10日 発表
(規制がかかっているためYouTubeのページお聴きください。)

 これなんかも他のアーティストにはなかなか書けない曲だと思う。
 この視点や感覚は独自のものだ。
 どれだけ女心が分かっているつもりの男性アーティストでも絶対に書けない。




 コレサワ 『J-POP』 2016年9月21日 発表
(こちらもYouTubeのページでお聴きください)
 失恋しても、少しくらい嫌なことがあっても、コレサワの歌を聴いて元気を出そう、といった曲だ。




 コレサワ 『シンデレラ』 2016年9月21日 発表
YouTubeのページでご覧ください)

 基本的にテレビや雑誌などでの顔出しはNGとしている。
 ただし、ライブでは顔を出しているようなのでライブに行けば見ることができるようだ。
 雑誌のインタビューなどではイメージキャラクターとしている”れ子ちゃん”の着ぐるみをかぶっている。
 顔を出さない理由は、昔レコード会社の人間に顔がぱっとしないからメジャーでは売れないと言われたから、というのがひとつらしい。
 ただ、顔を知られないことで日常生活の中でコレサワと分からないので日常の曲を書きやすいとインタビューの中で答えている。
 ライブではけっこうアイドルっぽいので、そういう一面もあるんだとちょっと意外に思った。




 コレサワ 『愛を着て』 2021年2月10日 発表
YouTubeのページで)

 30歳を過ぎたら曲調も歌詞もだんだん変わっていくのだろう。今年発表されたこの曲も初期の作品と比べたらずいぶん大人になった。
 今後のコレサワに期待したい。

 他にも『東京コロッケ』とか面白い曲があるのだけど、聴けるのはPremium会員だけのようで、一般になったら検索しても出てこない。


 コレサワ公式サイト




 にしな 『ヘビースモーク』 2018年 発表

 にしなについては最初はそれほど好きではなかった。独特な声になじめず、歌詞の内容もそんなにいいとは思わなかった。
 ただ、折に触れ何度も聴いていくうちに慣れたというか馴染んで、だんだん心地よく感じられるようになった。中毒性があるというのはこういうことを指すのだろう。
『ヘビースモーク』はにしなの代表曲のようにいわれるけど、これはまだ名刺代わりの一曲で、にしなは今後更に飛躍していく。今のうちにしっかり目を付けて追いかけていった方がいいアーティストのひとりだ。

 最近はお笑い芸人でも養成学校出身者が多くなったけど、音楽業界でもそうらしく、にしなは高校生のときSony Musicが主催する新人アーティスト養成講座”the LESSON”の第4期生となったことが始まりだった。
 それまで曲作りはもちろん、音楽活動も一切していなかったというからちょっと驚く。
 2017年からライブハウスで歌うようになり、2018年にアコースティックセッションユニット”ぷらそにか”のメンバーとなる(2019年8月に卒業)。
 ぷらそにかには後にYOASOBIのボーカルとなるikura(幾多りら)もいた。
 きのこ帝国の『怪獣の腕のなか』をふたりで弾き語りカバーをした動画は、今となってはお宝映像だ。
 2019年には川谷絵音のソロプロジェクト”美的計画”に選ばれて『KISSのたびギュッとグッと』のボーカルを担当した。
 2021年、Spotifyのプログラム”RADAR: Early Noise 2021”で、2021年に飛躍が期待される国内アーティスト10組のうちの1組にも選ばれた。
 1989年生まれの23歳とまだ若い。

 更に詳しく知りたければインタビュー記事などを読むのが早い。

 にしなが明かす、曲を書き歌う理由 デビューから「東京マーブル」までの歩みから見えた“変わらない部分”(小川智宏)

 にしな、音楽未経験で受講した「新人アーティスト養成講座」が転機に(J-WAVE)

 音楽人生の分岐点となる仲間との別れを経て、にしなが遂に辿り着いた初めてのワンマンライブ(金子厚武)


 にしな公式サイト




 にしな 『夜間飛行』 2020年12月16日 発表

『ヘビースモーク』で初めて知った頃はあまり好きになれなかったにしなだったのだけど、この曲がきっかけで大きく見直すことになった。あれ? にしなって実はいんじゃない? と。
 大変な才能の持ち主だということを今は分かる。




 にしな 『centi』 2021年3月10日 発表

 一度にしなを好きになったなら、たぶんどの曲を聴いても心地よく感じられるんじゃないかと思う。
 これまで発表された曲はまだそれほど多くないものの、バラツキや外れが少なく安定している。




 にしな 『東京マーブル』 2021年8月11日 発表

 先月発表された新曲。
 メロディーや歌声に意識がいきがちだけど歌詞もいい。




 にしな 『ランデブー』 2020年10月7日 発表

 メジャーデビューということでいうと、ワーナーミュージック・ジャパンに所属した2021年ということになるだろうか。もしくは、前年の2020年なのか。
 配信EPの1曲目として2020年10月に発表されたのがこの『ランデブー』だ。
 そこから月に一曲くらいのハイペースで曲を発表している。
 1stアルバムの『odds and ends』の発売が2021年4月7日だから、まだ新人さんといっていいくらいなのかもしれない。




 にしな 『桃源郷』 2021年4月7日 発表

 アルバム『odds and ends』に収録されたアルバム・オリジナルの曲。
 アルバム曲ということもあってか、これまでと少し曲調が違っている。アルバムの最後にこの曲を持ってきていることからすると、更に幅を広げていこうということで書いた曲かもしれない。




 にしな 『モモ』

 情報がなくていつ作った曲か分からないのだけど、この動画は2019年3月にアップされているから、わりと初期の作品かもしれない。
 一日の終わりに聴きたくなる曲だ。


 これまでの勝手に発表シリーズは「音楽カテゴリ」にまとめてあります(さかのぼるときは”次”をクリックしていください) 。
 
 
  • ホーム
  • 次 ›